どうも、ますてぃと申します。
今回は、ギシギシについてのちょっとスゴいお話です。
ギシギシと聞いて、
何のことかピンと来る人は少ないかもしれません。
ですが、ほとんどの方が一度は目にしたことのあるものです。
【ギシギシとは】
ギシギシとは、タデ科スイバ属の多年草で、
日本国内ではほぼ全域で見かけることのできます。
和名を羊蹄、英名をRumex japonicusと言います。
非常に生命力が強く、
中途半端に根っこを残して駆除すると、
かえって生息地が広がる“畑の厄介者”です。
ナガバギシギシ、エゾノギシギシ、コギシギシなどの仲間があり、
外観がスイバ(酸葉)とよく似ています。
【ギシギシとスイバの見分け方】
まず葉っぱ。
スイバはやじり型で、
元が茎を包み込むようになっています。
ギシギシの葉っぱは幅があり、
茎から葉柄が伸びて葉がつきます。
次に茎。
スイバは赤くなるのに対し、
ギシギシはなりません(やがて褐色に枯れていきます)。
根っこ。
スイバはひげ状なのに対し、
ギシギシはゴボウのように太く、
そこから細かな根が分かれています。
【食べられます】
ギシギシの葉や実、根を、
日本のみでなく欧州でも食用として利用しているようです。
ただし、ギシギシはシュウ酸を多く含むため、
ナマ食には向きません(カルシウム欠乏を招く恐れあり)。
アク抜きをして利用したり、
火を通す調理方法をしましょう。
日本では、
春先の若芽を天ぷらやおひたしにする
食べ方が多いようです。
また、本体だけをピックアップされることは少ないですが、
ダイエット・健康系のブレンド茶に、
さりげなくギシギシも入っていることもしばしば^^
【生薬として】
ギシギシは、
『神農本草経』という、
二千年前の漢時代の薬草の書にも記載があり、
漢方薬としても利用されている植物です。
薬用として生で利用するときは、四季を問わず根を採取します。
なるべく太い根を掘り、よく水洗いします。
それを輪切りか、細かなサイの目状に切って、
天日で十分に乾燥させます。
こうしてできた生薬は「羊蹄根(ようていこん)」と呼ばれ、
緩下剤(副作用の少ない緩やかな下剤)として利用される他、
健胃、便秘、にきび、高血圧、動脈硬化などにも用いられるそうです。
【用法】
羊蹄根5~10グラムを1日量とします。
水400mlに加えて煎じ、
沸騰したら弱火にして水分が半になるまで煮詰めます。
煎液をこして、1日3回食間に服用します。
この他、生の根を絞った汁液は、
水虫、インキンタムシ、ゼニタムシなど、
寄生性皮膚病に効果があるとされ、
民間療法では塗り薬として利用されてきたそうです。
実際に根を絞ってみた感じですが、
青臭さはほとんどなく、
力強い、遠くに爽やかさの漂う香りでした^o^
妊婦やお腹の冷えやすい人は、
服用を控えた方が良いようです。
【採取場所】
どこでも生えるギシギシ。
見かけることは多いですが食用にする場合は、
やはり安全性を考えたいところです^^
厄介者のギシギシは、
駆除のためには根まで枯らす、
強力な除草剤を利用するのが主流です。
土壌の汚染が少ない場所、
綺麗な土から育ったものを利用したいですね。
【栄養学的主成分】
アントラキノン、エモジン、クリソファノール、
シュウ酸カルシウム、ネポジン、タンニンなど。
ネポジンは、耐糖能改善作用、血中脂質濃度改善作用、
メタボリックシンドローム改善作用があります。
また、主要ミネラルの比率で言うと、およそ
カリウム22.5% カルシウム3.5% マグネシウム1.5%
を含みます。
(出典:『伝承農法を活かす家庭菜園の科学』(ブルーバックス) 木嶋 利男 著
お遊び程度に・・・
パセリのカリウム含有量:1000mg/100g = 1%
モロヘイヤのカルシウム含有量:260mg/100g = 0.26%
出典:栄養成分別野菜ランキング(https://vegetable.alic.go.jp/eiyou/eiyou1.htm)
もちろん、
土壌や栽培方法によりますし、
ギシギシをボリボリと食べまくる、
と言うことはちょっと考えにくいです^^;
それにしたって、
一般の「栄養価の優れた野菜」と比べると、
スゴい栄養価ですね・・・^^;
これが痩せた大地からも生える、と言うのは、
生命の不思議といえます♪
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